システムのコストについて

 

コンピュータシステムは付加価値の差が非常に大きい為、その適正価格を積算する事は非常に困難であると考えられます。

 困難ではありますが、システムの価値を評価する事は非常に大切であり、たとえそれが主観的な評価(同一のコンピュータシステムでも利用者によって価値評価は異なる)であってもそれを量的に為すべきだと考えます。

 そして、それには客観的なコストを積算したものをベースに評価しなければなりません。

 そこで、ここではコンピュータシステムのコストを次の様に大きく2つ分けて考えて見たいと思います。

1)システム開発に資するもの

2)システム保守に資するもの

 「(2)システム保守に資するもの」についての考え方を明確にする事を前提にしないと「(1)システム開発に資するもの」のコストも明確にし難いものになってしまいます。

 従来の日本の社会においては、一部の大企業を除き「サービス」の対価の認識に乏しく特に「ソフトウェア的なもの」に対しては当然の様に無償化扱いされてきておりました。

 ほんとうにそれは無償だったのでしょうか。否そうではありません。当然システムベンダーとしては掛る費用を何らかの方法で回収しなければなりませんから何処かで費用を捻出する必要があります。

 しかしながら、原則的にはシステムベンダーの収入原資はハードウェア売上、システム開発費、コンピュータサプライ品売上やハードウェア保守収入等ですから、当然それらの内の何れかから捻出するに相違ありません。

 従って「(2)システム保守に資するもの」のコストを明確する事にしないとコストが一番見えにくい「(1)システム開発に資するもの」のコストも明確になり得ろうはずもありせん。

 また近年はパソコン等のネットワーク化が進み、ハードウェアの面では非常に安くそれらに掛るコストもオープンなものになりましたし、市販のソフトを使用するのであればソフトウェア面でもハードウェアと同様な事が言える様になりました。

 が、しかしその反面、それらを扱うには「自己責任」が前提となる上に技術革新の速さによるライフサイクルの短さも顕著となった事により、それらの情報収集能力もユーザー側に要求される様になってきました。

(情報収集の方法はインターネットの発達によりいくらでも有るが、それらを整理分析するのは困難で、さながらアルビントフラーの著書「第3の波」の「情報の洪水」であるかの様です。)

 システムベンダーも「(2)システム保守に資するもの」の概念の枠組みを大きく変え、ビジネス化しクライアントに様々なサービスを提供出来る様なメニューを提示しなければならない様になりつつあります。

また、そうする事によりクライアントとシステムベンダーの共存共栄が図る事を促進し相互の更なる発展に寄与する事が可能に成り得ると確信致します。

 

1)システム開発に資するもの

 

作業項目

摘 要

重要度順

 

1

システム商談作業

システム化の目的を明確にし大きな指針を決定する為、最も重要です。

1

 

2

システム開発打合せ

システム化の問題点を顕在化しそのソリューションを導き、クライアントとシステムベンダーのレベル合わせを行います。

2

 

3

基本設計作業

具体的なシステム像を文書化し更なるシステム化の問題点を追求し解決していきます。

3

 

4

詳細設計作業

現実的なプログラムの在り様を文書化します。

4

 

5

プログラム開発作業

実際のプログラミング作業です。

5

 

6

インストール作業

システム操作説明会も含めた導入作業

7

 

7

初期トラブル対応作業

不測のトラブル対応作業

6

※作業項目は概念的なものでオブジェクト指向的なアプローチにおいては「基本設計作業」から「プログラム開発作業」一部は「システム開発打合せ」にフィードバックされ有機的にリンクされ得る。

 

(説 明)

 ここで重要なのは「システム化の目的明確化」と「システム化の問題店の顕在化」であり、その質に対するコストを考える事です。

 確かに「プログラム開発作業」は作業ボリュームとして一番大きくコスト的にも一番大きなものになるには違い有りませんが、「システム商談作業」中にひょっとしたら市販のパッケージソフト等の提示によりシステム開発作業自体が無くなるかもしれませんし、「システム開発打合せ」中に良いアイディアが生まれ、当初考えていた時よりもシステム規模を大幅に縮小出来るかもしれないのです。

 また「初期トラブル対応作業」は有ってはならない事ではありますが、有った時にどうするかというリスク管理の範疇のコストを計算するものです。(開発期間が長期に渡り当初の運用形態の変容や操作者の移動による熟知度の低下や突発的な事故等心配すればキリがない)

 

 

2)システム保守に資するもの

 

項 目

摘 要

 

1

システムトラブル対応

開発納入システムや市販ソフトについても契約によりそのトラブル対応に対応する。

ハードウェアトラブルでも発生当初のトラブル解析及び判断は最低必要。

 

2

システム相談

開発納入システムや導入市販ソフト等の運用上の相談やシステム改訂に伴う様々な相談を受ける事

 

3

ソリューションサービス

データベースエンジンのチューニングや市販ソフトの紹介、インスト及び使用方法の解析等様々な問題を解決します。

 

4

有用情報の照会

世の中のコンピュータ関係の情報でクライアントのニーズに合った情報を抽出し提示します。

 

5

システムの評価及び改善策の提示

クライアントの立場に立ちシステムの評価を行いその改善策を模索しそれを提示します。

 

6

オペレータへの指導

担当者の移動等による操作担当者への教育指導等

 

7

アウトソーシング

システム管理の一括引き受け作業

 

8

その他

 

※これらの項目は全てコスト的に独立したメニューとしてクライアントとシステム保守者との間で個別的に契約されクライアントがそのサービスを状況に合わせ選択する事が可能です。

 

(説 明)

ここで重要なのは「システム保守」をビジネスとして捉えそのサービ内容を明確にし、積極的な「サービス」に変容させ、その対価に見合うものをクライアントに提供するという事です。

 また、「システム保守」をビジネスとして独立させるのですから、必ずしもシステム納入者=システム保守者である必要はありません。(ただし市販ソフトなら未だしもオーダーメードのソフトに対しては状況によってはその対応が非常に困難な場合も多々有りますが…)